ポニーテール
グリーティングカード
Express (Japan) 1976
ETP-72211 (LP) インサート
sleeve : VG+(SRW,染み多数)
media : EX/EX(わずかにチリノイズが入る箇所あり)
小島康子と桜庭由子からなる女性コーラス・デュオ、ポニーテールが1976年にリリースした唯一のフル・アルバム。もともとは4人組で、デビュー・シングル以降に他2人のメンバーは脱退し(うちひとりはラジ)2人組となったようです。椎名和夫がメンバーに在籍していた時代のムーンライダースがバックをサポートし、全曲のアレンジも鈴木慶一とムーンライダースが手掛けています。楽曲の雰囲気としては細野晴臣=ティンパンアレーがによって日本で実践されたアメリカン・ポップやモータウン・サウンドのスタイルにオールディーズやソフト・ロックがブレンドされたガールズ・ポップといった風情で、荒井由実(初期の松任谷由実)を彷彿とさせますが、鈴木慶一の趣味が打ち出された秀逸なアレンジとムーンライダーズの確かな演奏で、とても上質なポップに仕上がっています。なかでも大注目は、ガイドブック『obscure sound〜桃源郷的音盤640選〜』でも紹介したSergio Mendes & Brazil ‘70sのシンガーLani Hallの名盤『Sun Down Lady』でも秀逸なカバーがされたほか、数百に及ぶカバー・バージョンが存在する、Lesley Dancanの名曲に日本語の訳詞をつけたB3。Lesley Dancan本人が「もっとも自分の望んでいたもの」と評したらしいですが、それはさておき初々しさとあどけなさが残る女性ふたりのシルキーな声が染みてくる素晴らしい1曲。