三宅榛名・音楽・現在
ほんの47分の地獄
Victor (Japan) 1978
SJX-9522 (LP)
sleeve : EX(ごく薄い汚れ)
media : EX/EX(わずかにチリノイズが入る箇所あり)
ガイドブック『OBSCURE SOUND REVISED EDITION』でも紹介した高橋悠治との名コラボ作品『いちめん菜の花』のほか、日本における現代音楽の分野で特異な活動を続ける作曲家/ピアニストの三宅榛名による1978年リリースの傑作アルバム。ソプラノ歌手の北原万里、トランぺッターの板倉駿夫が参加。現代音楽の語法と演歌を相対物として対峙させるというパロディA2をはじめ、日常のすべてを音楽としうることをコンセプトに作曲/演奏されたもので、ある意味アンビエントの根底にあるものと同様の意匠を感じます。A面全部とB面2曲分を使用して収録された5曲構成の組曲「Why noy, my baby?」では、アコースティック・ピアノをメインにおもちゃのピアノや自身による唄も披露。「ほんの47分の地獄」という凄いタイトルとは裏腹に、とても優しく心に響いてきます。とても興味深い内容の1枚です。大推薦。