Shoko Igarashi “Simple Sentences”

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五十嵐祥子
Simple Sentences
Tigersushi (France) 2022
TSRLP 043 (LP)
sleeve : NEW
media : NEW

僕も深いご縁のある山形県鶴岡市出身の若き才能、五十嵐祥子の1stソロ・アルバムがフランスのレーベル<Tigersushi>から届きました。全曲最高、大大推薦。プレスリリースを書かせて頂いたので、詳細は下記をどうぞ。



ミレニアルズからまたひとり、あらたな才能が出現した。


1991年に山形県で生まれた五十嵐祥子は幼くしてジャズに目覚め、17歳のときには東京都内のジャズ・クラブでサックス・プレイヤーとして演奏をはじめる。出身校である洗足学園時代の師である中村誠一、日野皓正や渡辺香津美らと共演するなど、若くしてすでにその片鱗を示していた。22歳でアメリカへ渡り、バークリー音楽大学に進学。卒業後にはニューヨークで音楽活動を開始し、現在はベルギーのブリュッセルに拠点を移している。パートナーであるピアニストのカシミール・リベルスキー、ギタリストのルシアン・フレイポンとともにグループ「Maniac Maison」を結成し、ヨーロッパを中心にライヴ活動を続けてきた。そんな五十嵐祥子が自身の名を冠して発表する純然たるファースト・ソロ・アルバムが、『Simple Sentences』だ。

シンプルながら入念に練り上げられたリズム・トラックに呼応する、艶やかで伸びのある音色で奏でられたシンセサイザーのノスタルジックなメロディ、ボディ・ソニックなサウンド・プロダクションによって開放的に彩られていく楽曲たち。2016年にShoko Igarashi Organ Trioとして発表したアルバム『Alarm Call』で披露したモーダルなジャズから大きな方向転換を匂わせるエレクトロニックなアプローチは、80年代以降に世界を席巻した日本産コンピュータ・ゲームのロービットなデジタル・ミュージックからの影響を安易に連想させるかもしれないが、それは早合点だ。『Simple Sentences』には確固たるグルーヴがある。それは、彼女がこれまでに培ってきたジャズのメソッド、身体感覚が根底にあることはもちろん、昨今影響を受けたというソウル/ファンク、70年代のジャズ/フュージョン、シティ・ポップといった音楽を柔軟に吸収し、凝縮されたエッセンスがパーソナルなグルーヴとなって表出しているからだ。和の音階を多用したメロディが醸しだすオリエンタルな趣は、無意識にも日本におけるシンセ・ポップの先人Yellow Magic Orchestraや清水靖晃、70~80年代に日本で作られた秀逸なアニメ音楽との共通点を随所に見出せるが、それらとは似て非なる洗練された質感となっているのも新鮮だ。

フューチャリスティック、でも、どこか懐かしくて心地良い。『Simple Sentences』とともに、五十嵐祥子が閃光を放ちはじめた。

Chee Shimizu



A1: Sand Dungeon
A2: Anime Song

A5: Monochrome Chronicle
B3: Applebanana
B4: Tsuki No Yama
Language
Japanese
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