武満徹
雅楽 秋庭歌一具
JVC (Japan) 1980
SJX-9548 (LP) インサート
sleeve : EX-(WD:角1ヶ所薄いシミ,角軽い擦れ,やや色あせ)
media : EX+/EX+(わずかにチリノイズが入る箇所あり)
現代音楽という括りを飛び越え様々な実験的志向をもったコンポーズに挑んだ日本が世界に誇る偉大なる作曲家、武満徹が1973年に日本の伝統音楽のひとつである雅楽の管絃のために作曲した作品「秋庭歌」に続き、再び同一のテーマに挑み、1979年に作曲された作品。東京楽所による演奏。「音色彩と密接な時間ーテンポや持続の問題、さらに色彩の空間的変容等について考察するのに、雅楽ほど適しい媒体は他にあるまい」と武満徹自身が解説で語っているとおり、楽譜が存在せず拍や旧符など西洋の調和の概念のような一定の規則性がなく、演者の呼吸のみで時間軸が進行していく雅楽の独特なゆらぎや浮遊感を感じることができる、素晴らしい作品。細野晴臣が音楽を手掛けた『源氏物語』のサウンドトラックしかり、もはやアンビエントの定義はとうに崩壊し、民族音楽/伝統音楽の異質性に飲み込まれています。