Cathy Berberian
magnifiCathy : The Many Voices of Cathy Berberian
Wergo/Trio Records (Japan) 1971
PA-1029 (LP)
sleeve : VG+(SRW,SPSE:2cm程底面裂け,角擦れ)
media : EX-/EX-(わずかなチリノイズ/一部軽いチリノイズが入る箇所あり)
60年代より活動し、現代音楽界における声の演奏家の第一人者として高く評価されたアメリカ人ソプラノ歌手、Cathy Berberianによる1971年リリースのアルバム。DebussyやGershwinなどのクラシカルからThe Beatlesまで、本作でもジャンルやスタイルを超えた楽曲を取り上げています。全体的には声楽のイメージですが、注目はやはりなんといってもJohn Cageのコンポジションを取り上げたA5/A6。A5の「花」は1950年に作曲された舞踊のための音楽で、ボーカル以外にはピアノの蓋や木部を手で叩く音だけが聞こえてきます。A5の「18の春を迎えたすばらしい未亡人」はJames Joyceの小説『Finnegans Wake』の556ページをテキストにしたもので、こちら抑揚のない平坦なボーカルの後ろで、掌と拳でピアノの蓋を叩く伴奏がパーカッシヴに聞こえます。いずれも「4分33秒」の発想に繋がる重要な楽曲です。アルバム最後に収録されたボイス・インプロヴィゼーションB5も素晴らしいです。来日記念としてリリースされた日本盤で、Trio Recordsのこのシリーズすべてのデザインを担当する杉浦康平によるシルクスクリーン・プリントのアートワークも絶品。帯とブックレットは付属していません。