沢井一恵
現代邦楽の世界
Victor (Japan) 1980
SJL-224 (LP) 帯
sleeve : EX+(ごくわずかに色あせ)
media : EX-/EX-(わずかにチリノイズが入る箇所あり)
古典邦楽の正統な継承者でありながら、夫である沢井忠男とともに前衛的な活動を続け現代邦楽のあたらしい可能性を見いだした十七絃箏奏者、沢井一恵による1980年リリースのアルバム。A1は日本の古典楽器を取り入れた斬新な作品を数多く残す現代作曲家の石井眞木の作曲による十七絃と打楽器のための楽曲で、自身でも秀逸なソロ作品を多く残すパーカッション奏者の吉原すみれとの二重奏。西洋音楽と東洋音楽を対峙させることで生まれるあらた方法論を命題としています。A2は入野義朗作曲による二十弦と十七絃のデュオ。B1は枡屋正邦作曲による十七絃の独奏。B2は沢井合奏団が参加し独奏十七絃と箏群によるアンサンブル。いずれの楽曲も箏の伝統的な音の姿態を残しながらも西洋的なセンスと現代的な音色感を反映させた、源田邦楽のあたらしいかたちを生み出しています。高田みどりの『鏡の向こう側』と同様、現在のアヴァン/ポスト・アンビエント感覚でも解釈したい素晴らしい作品。
A1: 漂う島
B1: いするぎ