Various Artists
エクリプス/現代邦楽名作集
Victor (Japan) 1971
SJX-7522 (LP)
sleeve : EX(ごく薄い汚れ)
media : EX+/EX+(一部わずかにチリノイズが入る箇所あり)
1971年にVictorからリリースされた、武満徹、間宮芳生、松本雅夫ら3人の作曲家による現代邦楽の名作を収録したアルバム。武満徹によるA面の「エクリプス(触)」は、横山勝也による尺八と鶴田錦史による琵琶の二重奏で、武満がはじめて日本の伝統楽器を用いた作品。緩急と強弱による独特の空間性が素晴らしいです。B1は間宮芳生作曲の4つの箏のための作品で、後藤すみこ、矢崎明子、菊池悌子、高畑美登子による演奏。ミニマルなフレーズの連鎖によって古典音楽からの脱却を図っています。B2は松本雅夫作曲の箏のための作品で、リズムの対立による複リズムの手法を用いています。いずれも邦楽器のために作曲された楽曲で、それぞれ異なった方法で伝統音楽や伝統的な楽器に対する態度、それの使い方を提示しています。独自のミニマリズムを感じさせる間宮のB1にとくに惹かれます。日本盤ならではの素晴らしい音質も聴きどころ。